雨漏りの正しい修繕方法と「塗装では直らない」理由を解説します!

雨漏りはお住まいにとって深刻なトラブルであり、放置すると建物の構造や住環境に大きなダメージを与えます。また、カビが繁殖すれば人体に悪影響を及ぼしますし、配線やブレーカーなどに水がかかれば漏電・火災に繋がる恐れも。
そうならないよう、「雨漏りかな?」と思ったらできるだけ早めの対処をおすすめします。
雨漏りの修繕方法について、インターネット上では「塗装で雨漏りが直る」といった誤った情報も散見され、実際に塗装工事を勧める業者も存在します。しかし、雨漏りは塗装では直すことはできませんのでご注意ください。
今回は雨漏りの原因や正しい修繕方法、そして屋根塗装・外壁塗装で雨漏り修繕ができない理由について詳しく解説します。大切なお住まいやご家族を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ塗装工事で雨漏りは直らないのか

「屋根塗装や外壁塗装で雨漏りは直る」という情報や、業者から提案を受けることがあるかもしれません。しかしながら、塗装工事では雨漏りは直りません。その理由を詳しく解説します。
塗装工事は屋根や外壁表面の保護に過ぎない
塗装工事の主な目的は屋根や外壁の表面を保護し、防水性を高めることです。すでにひび割れや隙間、防水シートの劣化などが発生している場合、塗装ではこれらの問題をカバーできません。塗装はあくまで「予防」の役割であるため、雨漏りを修繕する力はありません。
構造的な問題を解決できない
屋根材のズレや防水シートの破損、排水不良など、雨漏りは構造的な問題が原因で起こるものです。これらの問題は、表面を保護する塗装だけでは解決できません。
例えば、防水シートが破損している場合は屋根を剥がすして防水シートを交換するか、既存屋根の上に新しい防水シートを張る必要があります。
一時的に雨漏りが直っても、すぐ再発する
塗装を施すことで一時的に雨漏りが止まったように見える場合もあります。
これは塗料が隙間を埋めただけの応急処置に過ぎません。時間が経つと再び雨漏りが発生する可能性が高く、根本的な修繕が必要になるでしょう。
雨漏りの補修後の塗装工事は効果的!
屋根材や外壁材を保護するための塗装工事は、雨漏り補修と一緒に行うのは非常に良い選択と言えます。雨漏りが起こっているということは屋根材や外壁材を保護している塗装が劣化している可能性があります。塗装をすることにより、保護機能を回復することができるので、雨漏りの再発防止に効果的です。
ただ、屋根材や外壁材によっては塗装の必要がない素材や、塗装をすることでかえって状況が悪化する場合もあるのでご注意ください。
場所別!よくある雨漏りの原因と正しい修繕方法
では、実際に雨漏りが発生した場合にはどのような修繕方法が正しいのでしょうか。
雨漏りの修繕をするためには、何が原因かを把握する必要があります。原因が特定できたら、問題を解決するために適切な補修を行いましょう。
ここではお住まいの場所別に、よくある雨漏りの原因と正しい修繕方法を紹介します。
屋根からの雨漏り
屋根は雨や風、紫外線に常にさらされているため、経年劣化が起こりやすい部分です。
ここではよくある屋根の雨漏り原因と、適切な修繕方法を紹介します。
スレート屋根のひび割れ

薄い屋根材であるスレート屋根は割れやすく、ひび割れから雨水が浸入しやすくなります。
ひび割れ箇所はコーキング材による補修、または屋根材の部分交換が一般的です。ひび割れが複数発生している場合は屋根材の寿命が過ぎている可能性があるため、葺き替え工事か既存屋根の上から新しい屋根を葺く屋根カバー工法(重ね葺き工事)を行います。
コーキング材とは:建材同士の隙間や接合部を埋めるゴム製の樹脂。気密性や防水性を高めるため、補修工事にも用いられる。
防水シートの劣化

屋根の下には防水シートが張ってありますが、劣化すると雨水が屋根裏に染み込みます。
瓦屋根の場合は既存の屋根を一旦撤去して防水シートを張り替えて瓦を戻す葺き直し工事を行います。
瓦屋根以外の場合は既存屋根の上に新しい防水シートを張り、更に新しい屋根材を葺く屋根カバー工法(重ね葺き工法)。または既存屋根を撤去して下地からやり替える葺き替え工事という選択肢もあります。
瓦のズレや破損

強風や地震で瓦がズレたり割れたりすると雨水が浸入します。また、漆喰が劣化することでズレることもあります。
瓦のズレで雨漏りが起こっている場合は、その下の防水シートが劣化していることも考えられるため、既存の瓦を一旦撤去し、新しい防水シートを張って正常な位置に戻して漆喰を詰め直す葺き直し工事を行います。
棟瓦のみに問題が起こっている場合は、棟瓦を一旦撤去し、戻して漆喰を詰め直す積み直し工事という方法もあります。
瓦が部分的に破損している場合は部分交換を。瓦全体の寿命が過ぎている場合は既存瓦を撤去して下地からやり替え、最後に新しい屋根材を葺く葺き直し工事が適しています。
谷樋の詰まり、破損

屋根の谷部分である通水路である谷樋は落ち葉やホコリなどが詰まりやすく、穴が開いたり雨水が溢れて雨漏りに繋がる場合があります。
瓦屋根の場合は谷樋周りの屋根を一旦撤去し、谷樋は処分します。新しい防水シートを張って新しい谷樋を設置して瓦を戻す谷樋交換工事を行います。
瓦屋根以外の場合は一度撤去した屋根を再利用できないため、既存屋根の上に新しい谷樋や屋根材を葺く屋根カバー工法か、既存屋根を撤去して新しい屋根材を葺く葺き替え工事が一般的です。
天窓の劣化

天窓は紫外線の影響などによるコーキングやパッキンの劣化、飛来物や地震・台風などによるガラスの割れ、枠の歪みなどが起こると雨水が浸入します。
ガラス周りのコーキングやパッキンが劣化している場合はコーキング工事で隙間を塞ぎ、雨漏りを解消させることができます。
ガラスが割れている場合はガラスの交換、または天窓ごと交換をする必要があります。
枠の歪みや腐食が起こっている場合も天窓ごと交換をするのが適切でしょう。
棟板金の浮き

スレート屋根や金属屋根の頂上に設置されている棟板金の釘・ビスが抜けてくると、棟板金自体が浮き、その下の隙間から雨水が入り込みます。主な原因は熱膨張といって、棟板金が熱くなる・冷えることで膨張・収縮を繰り返し、釘やビスが引っ張られることです。
棟板金から雨漏りが起こっている場合、その下地である貫板が腐食している可能性も考えられます。そのため、棟板金と貫板の交換をすることで雨漏りが解消されるでしょう。

外壁からの雨漏り
外壁も雨漏りの原因となり得ます。特に多いケースを以下に紹介します。

外壁にできたひび割れから雨水が浸入します。特にモルタル外壁に起こりやすい雨漏りの原因です。地震の他、経年劣化でもひび割れは発生します。
ひび割れの補修は主にコーキング材による補修を行います。ひび割れが大きい場合は、そのままコーキング材を充填しても奥まで行き届かない可能性があります。そのため、ディスクサンダーでV字カット、またはU字カットをしてひび割れを広げてからコーキング材を充填するVカット工法・Uカット工法を行いこともあります。
コーキングの劣化

窓枠や外壁の継ぎ目に使用されるコーキング材は紫外線などの影響で劣化が進みます。亀裂、剥離などを起こすと隙間から雨水が入り込みます。隙間風が入る原因にもなるため、劣化が起こっている場合はできるだけ早めに工事をしましょう。
基本的には既存のコーキングを撤去して新しいコーキング材を充填する打ち替え工事を行います。
場所によっては撤去することによって施工不良を起こす部分があります。その部分には既存のコーキングの上から新しいコーキング材を充填する増し打ち工事を行います。
外壁材の反り

窯業系サイディングに多い症状で、平な外壁が経年劣化で反りを起こして雨漏りを引き起こすケースもあります。原因は主に雨水の吸収・乾燥によるものです。
状態が軽度な状態であれば釘・ビスの打ち直しなどの部分的な補修で問題ありません。重度な場合には外壁材の部分張り替え、または全張り替えが必要になるでしょう。
ベランダ・バルコニー・屋上からの雨漏り
ベランダやバルコニー、屋上などの傾斜の少ない場所は雨水がたまりやすいため、最も雨漏りが起こりやすいと言えます。以下のような症状が発生している場合は、できるだけ早めに補修工事をご検討ください。
排水溝の詰まり

排水溝が詰まると雨水が溜まり、接合部から染み出して建物の内部に入り込みます。
詰まりを除去するだけでは雨漏りが解消されることは考えにくく、大抵の場合は排水口の周りに破損が見られます。
そのため、既存の排水口を撤去し、改修ドレンという排水するための設備を設置します。改修ドレンを設置した周りに継ぎ目ができればそこから劣化しやすくなるため、防水工事も行います。
防水層の劣化

ベランダ、バルコニー、屋上などの床には防水層が施工されており、紫外線や歩行の摩擦などによって劣化が進行します。シートが剥がれたり、ひび割れが起こったりすると雨漏りに発展します。
防水層が剥がれたり、ひび割れたりすると水が浸透します。この場合は一から防水工事を行う必要があります。
笠木の劣化

ベランダやバルコニーの手すり、パラペットの上部などに設置されている建材です。紫外線・雨風の影響でコーキングの劣化や釘の浮きなどで隙間ができると、そこから雨水が浸入します。
コーキングの劣化であれば新しいコーキング材を打ち替えることで雨漏りが解消される可能性が高いです。釘の浮きがある場合は釘の打ち直しを。笠木の変形が見られる場合は笠木自体の交換が必要です。
雨漏り修繕に向けた4ステップ

雨漏りを根本的に解決するには原因を特定し、適切な修繕を行う必要があります。以下に、具体的な修繕方法をステップごとに解説します。
雨漏りの原因究明は非常に難しいと言われています。また、高い場所から雨漏りが起こっているケースが多く、無理に調べようとすると落下事故などの可能性があるため、調査は専門業者に依頼をしましょう。
雨漏りの原因を特定するためには主に、以下の方法で調査を行います。
・目視調査:屋根や外壁、ベランダなどを目視で確認し、ひび割れや破損箇所を探します。
・散水調査:水をかけて雨漏りの浸入経路を特定します。
・赤外線調査:赤外線カメラを使って、湿気や水の浸入箇所を特定します。
調査結果をもとに見積書が作成され、提出されます。修繕方法や費用をしっかり確認し、少しでも不明瞭な点があれば質問をしましょう。
内容に納得がいく場合は工事の申し込みをします。安心して任せられそうにない、他の意見も聞きたいという場合は別の業者にも見積もりを依頼することもご検討ください。
業者と事前に打ち合わせをした日時・内容で工事が行われます。進捗はできるだけ報告してもらい、些細なことでも不明点があれば質問をしましょう。
岡山市の雨漏り修繕はSKハウスへご相談を!

雨漏りの原因を特定し、適切な工事を行うにはプロによる調査や施工が必要です。ただ、業者によっては誤った方法で修繕しているケースも少なくありません。修繕方法を間違えば、工事をしたのにかえって事態を悪化させる恐れがあります。そのため、雨漏りの修繕は知識や経験が豊富な業者に相談しましょう。
当社、SKハウスは岡山市の地域密着店です。地域の特性を熟知した豊富な知識で雨漏りの原因に合わせたベストな修繕方法を提案いたします。
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